上海は中国経済の中心地であり、その国際空港である「上海浦東空港」と「上海虹橋空港」には、国内線・国際線を含め、数多くの航空便が就航しています。
上海を本拠地とする航空会社には、中国東方航空や春秋航空、吉祥航空などがありますが、今回紹介する上海航空は、名前に「上海」を冠するエアラインであり上海を代表する航空会社です。
近年は、何かと話題の「ボーイングB737MAX」や「ボーイングB787」などの最新鋭機を急ピッチで導入しており、中国の航空会社の中では「綺麗め」で「洗礼された」印象があることが特徴です。
日本路線では羽田空港や関西国際空港に就航する上海航空ですが、一体そのサービスの質や機内食のクオリティーは一体どういったものなのでしょうか?
上海航空がどういう航空会社なのかの解説を含めて、上海/虹橋空港から東京/羽田空港の便のレビューと解説をしていきたいと思います!
*この記事は2020年1月現在の情報を使用しています。最新の情報と異なる可能性もございますのでご注意ください。
上海航空の解説

航空会社 | 上海航空 |
設立 | 1985年 |
航空連合 | スカイチーム(中国東方航空の子会社) |
就航都市 | 140都市 |
日本への就航都市 | 羽田・関西・富山 |
本拠地(ハブ空港) | 上海浦東・上海虹橋 |
保有機数 | 105機 |
それではまず上海航空について具体的に見ていきましょう。
上海航空は1985年に設立された航空会社で、中国では初めての「民間航空会社」として誕生しました。規模が大きくなると共に上海を代表する航空会社として定着してゆき、現在では同じく上海を本拠地とする「中国東方航空」の子会社として、100機近くの機体を保有し、国内線と国際線(アジア圏内)の便を中心に運行しています。
親会社である中国東方航空とは、予約やチェックインシステムも統合されており、ほとんどの便で共同運行を行っています。「上海航空の便=中国東方航空の便」といった認識でほぼ間違いありません。
一方、アライアンスではスカイチームに所属しており、デルタ航空やエールフランス・大韓航空とも密接な関係にあります。
日本の航空会社では、中国東方航空が提携するJALとの関わりが強く、グランドハンドリングなどもJALのスタッフが担当しているのをよく目にする航空会社です。

搭乗レビュー
フライト情報
便名:上海航空 FM815便
出発地:上海/虹橋(9:05発)
到着地:東京/羽田(12:30着)
飛行時間:2時間25分
機種:A330-300
今回の便のチケットは「東京-大連往復(上海経由)」で予約したもので、料金は税込24000円ほどと破格でした!!!
成田→上海・上海→大連・大連→上海・上海→羽田と4区間フライトして、税抜き後の金額は約18000円ほどでしたので、1フライト辺りの運賃は5000円を下回る計算です!
また、行きの成田→上海便はフライト時間が3時間40分程だったのに対して、帰りに便は2時間25分と「こんなに違うものか?」「定刻で着けるのか?」とやや不安目でしたが、発着空港や偏西風によっては有り得る事のようです。
空港から搭乗まで
今回利用するフライトは、上海虹橋空港発羽田空港行きの便です。
上海には浦東空港と虹橋空港の2つの国際空港が存在しますが、虹橋空港は日本の羽田空港の様なイメージで、市内の中心部に近い位置にあり、主に近距離国際線と中国国内線の便が就航している空港です。
中国東方航空やJAL、ANAなども羽田空港からの便を就航させていますが、市内から近い空港なだけあり、ビジネスマンに非常に人気がある路線です。
9時5分発の便に搭乗するため、6時30分ごろには空港に来ましたが、上海航空のカウンターはたくさんの乗客で大賑わいとなっており、日本人の乗客もたくさんいらっしゃいました。
近くにいらっしゃった日本人の2人組サラリーマンは香港行きの便に乗るらしく、経済都市な上海だけあって、多くの駐在員ビジネスマンも利用する国際空港です。


チケットを発券して保安検査場へ向かいます。
中国では優先の保安検査レーンなどは今まで見たことがなかったですが、虹橋空港はビジネス客が多いからか、「ファーストクラス・ビジネスクラスの検査専用レーン」が設置されていました。
詳しくはわかりませんが、各航空会社の上級会員も利用できるものだと思われます。
検査場を超えてゲートに来ると上海航空のA330-300型機がとまっていました。A330-300型機は、上海航空が2機のみ保有している少し古めの機種ですが、上海-羽田路線ではよく使用されている機体です。



サービス・機内食は?
飛行機は定刻で出発し、無事に離陸し東へ進路をとります。
今回のフライトの機種であるA330-300型機は古めの機体ということもあって、機内の装備はかなり年季が入っている模様…。座席には個人モニターは装備されていなくまるで国内専用の飛行機の様です。
エコノミークラスの座席感覚は、「日系の航空会社より若干狭いかな?」といった印象です。ですが、座席はふかふかのクッション性の席であり、体をガッチリと掴んでくれて快眠へ誘ってくれます。




離陸して30分ほどすると、機内食がはじめに提供されました。
しかし、驚いたことにメニューが往路で乗った中国東方航空(成田-上海)行きの便と全く同じです!!!
メインのクリームパスタから、デザイーとやスナック菓子までほとんど同じものが提供され、ピーナッツなどのパッケージには「中国東方航空」と、親会社の名前が堂々と記載されていました。
上海航空は確かに中国東方航空の子会社ですが、ブランドの違うエアラインで全く同じ機内食を提供しているなんで、合理化を追求する「中国らしい」戦略です。
それでも、航空会社のサービスの骨格である「機内食」が親会社と全く同じで、上海航空の色が全く出ていないのは少し残念でもあります。





2時間少しのフライトなのであっという間に駿河湾上空へ着いてしましました。
周りの中国人がザワザワしていると思ったら、左手に富士山が!!
富士山は中国の方々からも有名みたいですね!
ちなみに機内エンタメ類は、モニターが着いてなかったので全く利用できず、Wifiのステッカーが機内に貼ってあるにも関わらず、iphoneからは接続不可能でした。泣
今回は古い機種だったのでモニターがありませんでしたが、順次導入されている新型機では個人モニターも利用可能で映画や音楽も視聴可能となっています。
総括
以上、羽田空港に到着です!!!
さすがビジネス客が多い路線である、虹橋-羽田空港路線だけあって定時の到着でした!
しかし、上海航空のサービス的には、機体が少し古かったこともありますが、モニター等一切なしで、尚且つ、機内食も親会社の中国東方航空と統一されており「この航空会社の存在意義ってなんなの?」というのが直感的な感想でした。
近年、B787などの新型機を順次導入しているので機内環境は向上が期待されますが、食事などの面はもう少し「上海航空色」を出してくれると、他の航空会社と差別化もできると思いました。

コメントを残す