皆さんはアメリカの航空会社といったらどういうイメージがあるでしょうか?
「遅延が多い」「欠航が多い」「サービスが悪い」などのイメージが先行する人が多いと思いますが、デルタ航空やジェットブルーなど近年評価を急上昇させてきたエアラインも多数存在し、サービスのクオリティーは日々向上中です。
そんな中、創業当初から「サービスが良い!」「定時制の良い!」、そして「価格が安い!」と全米で大変優秀な航空会社が存在します!!
それは、アメリカ最大のLCC(格安航空会社)である「サウスウエスト(SouthWest)」です。
この航空会社、実はLCCのくせに「機内のドリンク・スナックが無料」「手荷物預けが無料(2個まで)」「定時性も抜群」「安全性もピカイチ(過去に事故の死亡者が1人のみ)」と、安い割りにコストパフォーマンスが良い航空会社なのです!!!
それでは、たくさんの強みを持つサウスウエストとはどういう航空会社なのでしょうか?
機内サービスや評判等を実際に搭乗したレビューを交えながら、解説して行きたいと思います!!
*この記事は2020年2月現在の情報を使用しています。最新の情報とは異なる可能性がございますのでご注意ください。
サウスウエスト航空の解説

サウスウエスト(SouthWest)
本拠地:ダラス(ラブフィールド)
保有機数:752機
就航都市:101都市
拠点空港(ハブ):アトランタ・ダラス・バルティモア・シカゴ・デンバー・ヒューストン・フェニックス・ロサンゼルス・ラスベガス・オーランド・オークランド
サウスウエスト航空は1967年にアメリカで創業し、航空自由化の波に乗り「格安航空会社の世界的な先駆け」として世界に普及した、LCCのモデルとなった由緒正しい航空会社です。
テキサス州のダラス・ラブフィールド空港を本拠地として、アメリカ国内線を中心に700機以上の飛行機を運用しています。
サウスウエストの特徴はいくつかありますが、代表的なものが以下の通りです。
①「1973年以来ずっと黒字」
②「安いのにサービスはほとんど無料」
③「ボーディング(搭乗)の方法が独特」
④「機内の座席は自由席」
⑤「安全性が高い」
サウスウエスト航空は不況の影響を受けやすい航空業界の会社であるにも関わらず、1973年以来、一度も赤字を記録したことがありません。同時多発テロでアメリカを始め、世界中の航空会社が赤字を膨らませた2000年代初頭も見事に黒字決算を叩き出しています。
さらに、サービスがかなり独特で、LCCで格安なのに「荷物預けは2個まで無料(アメリカの大手では基本的に有料)」「ドリンクサービスあり」「スナックの提供あり」と大盤振る舞いです。
そして、ボーディング(搭乗)方法が独特(「空港から搭乗まで」の章で解説します)で、機内の座席は自由席になっており好きな座席に座るシステムを採用しています。
これらの代表的な特徴に加え、創業から墜落事故(機体全壊事故)を起こしたことが1回もなく、非常に安全な航空会社として評判が名高いです。
700機以上の航空機を運行しており、その運行便数はANAの数倍規模となっていますが、40年間以上墜落事故がないのは、信頼性の高さを証明できる事実だと思います。
この様な理由から、アメリカ人に大変評判で、「旅行に行くならサウスウエスト!」といった方や「サウスウエストしか乗らない!」といったコアなファンまで多数存在します。
フライト情報
サウスウエスト(SouthWest)3836便
出発:ラスベガス(17:25発)
到着:サンフランシスコ(19:05着)
フライト時間:1時間40分
機種:B737-700
料金:42.98ドル(約4700円)
今回はラスベガスからサンフランシスコまでのフライトです。
サウスウエストの公式ホームページから予約し、料金は何とたったの42ドル(約4700円)と相当な破格です!!
サウスウエストの航空券はかなり安く販売されていることが多いですが、「Google Flight」や「skyscanner」などの航空券検索サイトには中々出てこないので、アメリカ国内移動で最安のチケットを求めている方は、サウスウエストの公式ホームページで検索をかけてみる事をお勧めします。
アメリカの航空会社(国内線)は、大手だと乗り継ぎ便が格安に設定されており、直行便は高めのことが多いですが、サウスウエストは直行便でも安値で航空券が購入できる事に加え、サービス良し、定時制良しなのでさらにお勧めできます。
空港から搭乗まで
それでは早速サウスウエストのフライトを見て行きましょう!!
ラスベガスからサンフランシスコに向かうフライトで、早速チェックインです。
サウスウエスト航空は荷物預けが2個まで無料でできますが、空港に来るまでは「ある程度高い運賃で購入した乗客でしょ?」と勝手に思っていました。
しかし、空港に着くと、僅か5,000円しか払っていない筆者の最安チケットでも、荷物預けが無料なことが判明!!
何でも有料のケチなアメリカの航空会社の中では異例の待遇です!!








それではサウスウエストのフライトにボーディング(搭乗)して行きます。
サウスウエストはボーディング方法と座席の指定方法が独特で、ボーディングは「Group」と「Position」制になっており、座席は全席自由席です。
航空機の出発時間の24時間前にチェックインができますが、チェックインと同時に「Group」と「Position」が発行されます。
「Group」はAからCまであり、「Position」は1から60まであるそうで、A(Group)の1番~15番(Position)の乗客から順番に搭乗して行き、最後にC(Group)の後ろの番号(Position)の乗客が搭乗します。
座席は全席自由席なので「早く前列の良い席を取ろう!!」とお客さんは席取りに必死です。
ちなみに「Group」と「Position」の順番はチェックインが早かった乗客から、良い番号が与えられる様になっており、24時間目のWebチェックイン開始時には、多数の乗客がチェックインを我先にと行います。
ちなみにA1~15番の番号は「優先搭乗」として事前に購入も可能(2000円近くします)です。
世界中でこのシステムを採用しているのは、サウスウエストのみ(多分…)で、非常に面白い搭乗方法です!!
また、良い席を取ろうと「チェックイン」と「ボーディング」の際、乗客が早めにやって来るので、遅延を減らすことも出来て一石二鳥ですね!!




搭乗レビュー(座席・機内サービス等)
機内に入り座席に着くと出発です!!
アメリカの航空会社は搭乗にとても時間がかかる印象ですが、今回のフライトは空いていたのと、サウスウエストは荷物預けが無料なので機内に荷物を持ち込む人が少なかったからか、非常にスムーズな搭乗でした!
アメリカでは珍しく5分早発です!!
今回は、サウスウエスト航空が最も多く保有する機体である「B737-700」のフライトです。使用機材は機齢21年の古めの期待なので内装も古い飛行機といった雰囲気が溢れていました。
ただ、座席などはしっかり整備されており清潔です。
アメリカの航空機は古い飛行機を使っている航空会社が多いですが(デルタなど)、整備の技術がかなり高いので安心して搭乗できます。
ちなみにサウスウエストも新造機を大量に投入しており、今回はたまたま古めの機材に当たっただけの様です。






今回は約1時間40分のフライトですが、しっかりフルサービスの提供です。
サウスウエストではすべての乗客にスナックとドリンク(ソフトドリンク)が配られます。
日本やアジアのLCCだと、ドリンクの提供はありませんので嬉しいサービスです。
また、配り方も独特で、はじめにスナックを配って、終わった後にフライトアテンダントの方が全員分のドリンクのオーダーを取ります。
暫くすると、オーダーしたドリンクをトレーに載せて、フライトアテンダントが戻ってきます。大きなワゴンを引っ張ってきて、その場でドリンクをいれる従来の方法と異なり、非常に特徴的です。(ワゴンで通路を塞ぐ事がないのでトイレにも行き易く、良い方法だなと思いました)




総括
飛行機は15分の早着でサンフランシスコ国際空港に到着です。
筆者は初めてサウスウエスト航空に今回搭乗しましたが、「こんな航空会社が日本にもあったらな!!」と率直に思いました!!
サービスが独特でLCCの割に「サービス良し」「安全性良し」「荷物預け無料」「定時制良し」「安い!!(今回のフライトは5000円以下)」と文句の付けようのない航空会社です!!
日本のエアラインではスカイマークに似た印象ですが、サウスウエストの様に、無駄を省いて「独自のサービス(全席自由席・WifiでLINEが無料で使える等)」を実施する航空会社が現れたら、日本の航空業界も面白くなるのかなと思いました。
いずれにせよ、サウスウエストが1973年から赤字を一度も出したことのない理由が、よく理解できるクオリティーでした!!

コメントを残す