エミレーツ航空・エティハド航空・カタール航空の3つの航空会社は、中東御三家エアラインと呼ばれています。オイルマネーで大変裕福な恩恵を受けている航空会社で、日本を含め全世界に路線網を敷いており「こんなマイナーな都市に大型機を飛ばして採算取れてるの?」と思うような都市にも就航していたりします。
今回はそんな、中東御三家の中で規模的にも最も大きい航空会社・エミレーツ航空の東南アジア路線を飛んでみたいと思います。
路線はバンコク/スワンナプーム(タイ)からプノンペン(カンボジア)までの1時間程度の路線です。
アラブ首長国連邦の航空会社が、何故他国であるタイ‐カンボジアの航空路線を開設することが出来るのでしょうか?また、 全世界に就航するエミレーツ航空のサービスや飛行機はどういったものなのかを含めて解説していきたいと思います!!
エミレーツ航空 ~概要~
航空会社:エミレーツ航空
国:アラブ首長国連邦
ハブ空港:ドバイ
設立:1985年
保有機材数:256機
就航都市:161都市
アライアンス:アラブ航空会社機構
サービス(最も安いエコノミーでのサービスの有無)
-荷物預け:無料(個数・重量制限あり)
-マイレージ制度:あり
-機内食:あり
-ドリンクサービス:あり
-事前座席指定:無料
*なお2019年9月時点の情報を参照しています。
*サービスについては路線によって異なることがございます。
エミレーツ航空の特徴は、潤沢なオイルマネーを使った、超大規模な路線網と飛行機(設備)が挙げられます。
経済性の高い中型の2発エンジンの飛行機が主流になる中、エミレーツ航空はA380(総2階建て・世界最大の旅客機)をなんと100機以上保有しており、旅客用として飛ばしている、最も小さいタイプの旅客機でも、300人近く乗れるB777-200型機(2019年現在)で、世界で最も大型旅客機を保有する航空会社です。
そんな大型旅客機を生かし、ハブ空港であるドバイ国際空港を拠点に、全世界に広大な路線網を持っています。特にアフリカやヨーロッパの路線には強く、ヨーロッパからドバイ経由で全世界に旅行に行く乗客が多いです。
また、エミレーツ航空では、超巨大旅客機・A380を利用し、世界初、ファーストクラスの乗客にシャワーサービスや機内ラウンジバーを提供するなど、アラブの大富豪を思わせるような、豪華なサービス展開で有名です。
しかし、近年は巨大すぎるA380が逆に経営を圧迫したりと少し失速気味で、今後どういう方針で路線網やサービス・機材戦略が展開されるかは注目です。


第三国を飛べる以遠権とは?
皆さんは「以遠権フライト」という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
以遠権とは、主に国際線の航空便において、自国から相手国を経由して、相手国からさらに先にある別の国の目的地への区間へ営業運航を行う権利のことを言います。
つまり、例えばデルタ航空の成田‐マニラ(フィリピン)行きなどの便は、アメリカの航空会社であるデルタ航空が、アメリカ発成田行きの便からの以遠権を保持しており、日本(自国以外の国)から第三国への航空便を運航することができるというわけです。
今回のエミレーツ航空・バンコク-プノンペン路線もそんな以遠権を使った路線で、エミレーツ航空の本拠地・ドバイ発の飛行機がバンコク(タイ)を経由してプノンペン(カンボジア)に向かう路線なのです。
フライト情報
- 便名:EK370便
- 出発地:バンコク/スワンナプーム(20:00)
- 目的地:プノンペン(21:25)
- フライト時間:1時間25分
- 機材:B777-300ER
- 料金:約10500円(tax込み)
300人乗りの飛行機でバンコクからの乗客は僅か11人!?
それでは、エミレーツ航空の飛行機でバンコクからプノンペンに向かおうと思います!!
今回利用するエミレーツ航空370便は、ドバイ発バンコク経由のプノンペン行きで、「空いた席にバンコクからの乗客も乗せてやるよ!」といった路線です。
この区間はカンボジア・タイの航空会社も飛んでいますが、東南アジアのLCCやカンボジアのちょっと怪しい航空会社(知名度があまりないので)が主流。中東の世界的な航空会社で移動できるなら安心して利用できます。
バンコク/スワンナプーム空港に到着してチェックイン。エミレーツ航空はドバイ-バンコクのフライトを1日5便大型旅客機で飛ばしているため、カウンターは大体いつでもオープンしています。
荷物を預けてゲートに向かいます。


ゲートについてのんびりしていると搭乗開始のアナウンスが…。
しかし、ゲート前の待機所にはたったの4人しか待っていません!!「カンボジアに行く人ってそんなにいないの!?」と思って係に聞いてみると、ドバイからの乗客は飛行機の中に70人いるんだとか…。しかし、バンコクから乗る乗客は僅か11人らしく、350人乗りの飛行機に80人だと間違いなく大赤字でしょう。(笑)


サービスや接客は?
機内に入るとまず香水のいい香りが充満しており、「ああ、ドバイから来たんだな」といった雰囲気に包まれます。




隣に駐機していたカタール航空の出発を待ってプッシュバック。滑走路に入り離陸します。
僅か1時間少しの路線ですが、しっかり軽食サービスがありました。メニューはサンドウィッチとマフィンですが、これがなかなかおいしい!! スターバックスのものと味が似ていました。


一方、客室乗務員はというと全員がドバイからそのまま常務しているCAらしくだいぶ疲れた様子。しかし、乗客がほとんどいないということもあり、1人1人のお客さんに話しかけながら親しげな雰囲気で接客していました。
乗客は白人系の方が多かったですが、ドバイで飛行機を乗り換え、バンコク経由でプノンペンに向かっている人が多いようで2、3人、疲れで常時いらいらしている白人のおじさんが「出発はまだか?」「いつ着くんだ?」とか、シートベルト着用サインが点灯中にトイレに行きだし、CAに制止されても「すぐ終わる!!」と無理やり用を足したりと大変そうでしたが、CAは冷静に対応していました。(笑)



総括
1時間のフライトなので食べ物を食べ終わったらすぐに着陸です。
プノンペンに着くと見たこともないカンボジアの航空会社がたくさん止まっていて、いかにも発展途上国といった感じでした。
今回はエミレーツ航空の以遠路線である、東南アジア区間を乗りましたが、辺境地の路線でも食べ物などのクオリティーは高かったので十分満足できる内容でした。また、お金の力が背景にあるためか、清潔感も良く・映画などのバラエティーも非常に豊富です。
いつか機会があったら、東京・大阪から就航しているドバイ便にも搭乗してみたいものです!!


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